「なぜ筋肉痛のときに体重が増えるの?」「この体重増加は太ったわけではないの?」などと疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
運動後の体重増加はよくあることですが、逆に太ったのではないかと不安になりますよね。
心配ありません。筋肉痛のときに体重が増えるのは、運動後の炎症や筋肉を修復するために水分を体内に貯め込むからです。

運動翌日に0.5~2㎏くらい体重が増えて、2~3日で元に戻るようなら正常な反応です。
本記事では、筋肉痛時の体重増加について、増える理由や身体の仕組み、早く元に戻す方法などについて解説します。筋トレに取り組んでいる人は参考にしてみてください。
筋肉痛のときに体重が増えるのは正常
ハードなトレーニングの後に体重が増えるのは、よくあることです。これは、筋肉を修復させるために必要な課程なので、心配ありません。
筋肉痛のメカニズム


筋肉痛が起きるのは、運動によって筋繊維がダメージを受けて、その傷を修復する過程で炎症反応が起きるからです。
筋肉のダメージを修復するために、一時的に体内に水分を溜めこみますが、筋肉が回復して筋肉痛が落ち着く2~3日後には、体重も元に戻ります。



どれくらい体重が増加するかは人によって異なりますが、運動後0.5~2㎏程度の体重増加は正常です。
筋肉痛のときに体重が増える理由
筋肉痛の際に体重が増加する主な要因は、水分保持によるものです。筋肉組織の修復やタンパク質合成などに水分が必要なため、水分保持量が一時的に増加して、体重も増えます。この体重増加は、脂肪の増加による体重増加とは異なり、一時的なものなので安心してください。



他にも筋肉痛のときに体重が増える理由があるので、詳しく解説していきます。
筋肉修復のための水分保持
筋肉痛の時に体重が増える主な理由は、筋肉修復のための水分保持です。筋肉の約75%は水分で構成されており、筋肉が損傷すると、体は損傷した筋肉を修復させるために、筋肉細胞に水分を送ります。
炎症が起きている部位に水分が集まるため、通常より体内に多くの水分を保つようになり、筋肉痛のときは体重が増えるのです。



筋肉が回復すると、水分バランスが正常に戻るため、体重は2~3日で戻ります。
筋肉が回復するまで約24~48時間(大きな筋肉では約72時間)かかるため、回復するまでの期間は体重が増えやすいのでです。
筋肉内のグリコーゲン増加
グリコーゲンとは?
筋肉と肝臓に蓄えている糖質で、筋肉収縮(筋トレ)のエネルギー源となる。グリコーゲン1gごとに、体は3gの水分を保持する。※1
体は使われるエネルギー量に合わせて、グリコーゲン貯蔵容量を高めます。水分と結合して貯蔵されるグリコーゲン貯蔵量が増えれば、体重にも影響します。
グリコーゲン貯蔵までの流れ


筋トレによって筋肉に貯められるグリコーゲンが増えて、より多くの水分を保持するようになり、体重も増加するという仕組みです。
筋肉の疲労物質蓄積による、水分代謝の低下
筋肉痛のときは疲労物質が溜まっているため、代謝の低下によってリンパ液や血液が停滞しやすいです。
筋疲労によるダルさで活動代謝量が減ったり、筋肉の収縮力が弱まって血液が心臓に戻りにくくなったりして、むくみで体重が増える場合もあります。
運動後の食事量や食欲増加の影響
運動すると食欲が増えてエネルギー摂取量が増加し、体重が増加してしまう人もいます。※2
活動で消費されたエネルギーのを補うために、食事量が増えるのは自然な反応ですが、摂取カロリーが消費カロリーを上回れば、体重は増えます。



運動後に食欲が増す傾向がある方は、摂取カロリーより消費カロリーが多い状態が作れているかを確認しましょう。
※2:参考文献:N A King他/運動、食欲、体重管理: 摂食行動における代償反応と、それが運動による体重減少の変動にどのように寄与するかを理解する/National Library of Medicine
ホルモンバランスの影響
筋肉痛と生理前~生理中のタイミングが被っている場合は、ホルモンバランスの影響で体重が増えている可能性が考えられます。
研究によると、生理初日に体液貯留はピークに達します。生理が終わってから排卵までの期間に最も低くなり、排卵前後の 11 日間で徐々に増加します。※3



女性の場合は、筋肉痛だけでなく、生理周期による体重増加の可能性も考慮しましょう。
また、睡眠不足も体重が増える要因です。睡眠不足はホルモンバランスや自律神経の働きを乱すので、食欲を増加させたり、むくみに繋がったりと、体重が増える要因になります。※4
※3参照:月経周期中の体液貯蓄:排卵前コホートからの1年間のデータ
※4参照:Tasali E他,実際の生活環境における過体重の成人の客観的評価によるエネルギー摂取量に対する睡眠延長の効果:ランダム化臨床試験。JAMA Intern Med。2022 ;182(4):365–374。doi:10.1001/jamainternmed.2021.8098
筋トレを継続するほど、体重は増えやすくなる
筋肉痛のときに体重が増えるのは自然な現象ですが、筋トレを継続するほど、体重が増えやすくなるのも自然なことです。理由は、脂肪よりも筋肉が重いから、だけではありません。体の仕組みを知って、体重増加の不安を解消してください。
筋肉量が増えるから
筋肉は脂肪よりも重いため、筋トレを続けて筋肉が増えると体重も増加します。
体重が増えたとしても、筋肉による体重増加の場合は、基礎代謝が上がり、脂肪を燃焼しやすくなる良い傾向です。
筋肉は脂肪よりもエネルギー消費量が多いため、痩せやすくて太りにくい体になります。



体重が増えるとダイエットのモチベーションが下がりやすいですが、体脂肪率や見た目の変化にも注目しましょう。


筋肉量が増えることで、筋グリコーゲンの貯蔵量も増える
筋肉量が増加すると、筋グリコーゲンの貯蔵量が増えて体重が増加に繋がることがあります。
高強度のトレーニングは、筋肉内のグリコーゲンを枯渇させますが、定期的なトレーニングを行うと、筋肉はエネルギー需要の増加に対応するため、グリコーゲン貯蔵容量を高めます。
グリコーゲンは、水分を保持する性質を持つため、筋グリコーゲンの貯蔵量が増えると、水分保持量も増え、体重増加につながるのです。
骨密度の変化
筋トレをすると、骨に刺激が加わり、骨の成長ホルモンが分泌されます。これにより、骨の成長が促されるため、骨密度が高まります。
筋トレによる骨密度の増加は、個人差がありますが、全身の筋肉を鍛えると、それに伴って骨密度も高まるため、体重が増えるケースもあります。ただ、



ただし、骨密度の増加による体重増加は、筋肉組織の増加と比べるとわずかなものです。
筋肉痛を早く治す方法
筋肉痛を早く治す方法で一番効果的なのは、ジョギングなどの全身を使った軽い運動です。精神的な疲労回復や筋肉痛を抑えたい場合は、ストレッチやマッサージも有効といわれています。
参照:筋疲労回復にはどのような方法が最も効果的か?名古屋大学・石田浩司他



筋肉の修復のためには、睡眠と食事も重要です。
運動後はタンパク質(20~40g程度)と糖質(体重×1㎏)を摂取しましょう。筋トレ翌日もエネルギーが多く使われやすい状態の為、同じ分量のタンパク質が摂れるとベストです。
また、良質な睡眠で成長ホルモンを分泌することも、筋肉の修復と再生を促進します。筋肉の回復が早まり、痛みも和らぎやすいです。
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CLOUD GYMトレーナー。RIZAPでトレーナー・カウンセラー・マネージャーとして経験を積み、著名人のボディメイクも多数担当。過去に介護や医療業界に携わった経験から、1人でも多くの方に「健康への第一歩」を届けるために、現在はオンラインでマンツーマンのダイエット指導を行う。