
体重は普通なのに、なぜかぽっちゃり見える…。
そんな女性は体脂肪率が高い「隠れ肥満」かもしれません。「ただ体重を減らす」だけでは、理想の体には近づけないことも。まずは、体脂肪率について正しく知ることから始めましょう。
この記事では、女性の体脂肪率の平均や理想の目安、年代別の傾向、下げるための具体的な方法までわかりやすく解説します。
体脂肪率とは?BMIとの違いを解説
体脂肪率とは、体重に占める脂肪の割合です。BMIと同様に肥満度を示す指標で、標準体重でも体脂肪率が高い「隠れ肥満」を見抜けます。体重やBMIだけでなく、体脂肪率も正しく把握することが大切です。
そもそも体脂肪率とは
体脂肪率とは、体重に占める脂肪の割合を示す数値で、以下の式で計算できます。
体脂肪率(%)= 体脂肪量 ÷ 体重 × 100
体脂肪率は、エネルギーを蓄える「皮下脂肪」や内臓のまわりにつく「内臓脂肪」を合わせた「体脂肪量」を体重で割ったものです。体脂肪率を知ることで、見た目や体重だけではわからない“体の中の状態”を把握できます。



脂肪と筋肉は同じ重さでも体積が異なるため、体脂肪率は健康や見た目に大きく影響します。
日本人女性の体脂肪標準値
一般的に女性の体脂肪率は20~30%未満が健康的な標準値とされています。年齢によっても判定基準は変わりますが、タニタは、次のような年齢別の判定基準を公開しています。
年代 | やせ | 標準(-) | 標準(+) | 軽肥満 | 肥満 |
---|---|---|---|---|---|
20代 | ~20% | 21~27% | 28~34% | 35~39% | 40%~ |
30代 | ~20% | 21~27% | 28~34% | 35~39% | 40%~ |
40代 | ~21% | 22~28% | 29~35% | 36~40% | 41%~ |
50代 | ~21% | 22~28% | 29~35% | 36~40% | 41%~ |
60代~ | ~22% | 23~29% | 30~36% | 37~41% | 42%~ |
OMRONの体脂肪率判定基準
女性の場合
標準:20〜29.9%、軽度肥満:30~34.9%、中度肥満35%~、重度肥満:40%~
InBodyの体脂肪率判定基準
女性の場合
標準:18~28%、軽度肥満:28~33%、肥満:33%~
計測器メーカーによって判定基準が異なるため、説明書やメーカーのサイトを参考にするのがおすすめです。
BMIと体脂肪率の違い
BMI(Body Mass Index)とは、体重と身長のバランスを表す簡易的な肥満度の指標です。日本でも肥満度の判定に使われています。
BMI = 体重(kg) ÷身長(m)2
BMIは筋肉と脂肪を区別しない計算です。そのため、同じ身長・体重でも筋肉が多く引き締まった体と、脂肪が多い体を判定できないのがデメリットです。
BMIと体脂肪率の比較
指標 | 特徴 | 欠点 |
---|---|---|
BMI | 体重と身長のバランスを見る | ・筋肉と脂肪を区別できない ・筋肉質な人が肥満と評価されやすい ・隠れ肥満を見抜けない |
体脂肪率 | 体組成(筋肉・脂肪の割合)を見る | ・測定機器や条件で誤差が出やすい ・精密な判定には専門機器が必要 |
体脂肪率は「隠れ肥満」を判定できる
標準体重でBMIが正常範囲でも、体脂肪が多くて筋肉が少ない「隠れ肥満」が日本人女性に多いです。20歳以上の日本人女性1,600人超を対象に行われた調査では、年齢ごとに下記割合で「隠れ肥満」型に該当することが報告されています。【※1】
- 20代:15.5%
- 30代:13.8%
- 40代:12.7%
- 50代:21.3%
- 60代:29%
- 70代:41.7%
WHOの報告でも、アジア人はBMI標準値の25以下でも糖尿病や心疾患のリスクが高いことが指摘されています。【※2】



BMIだけでは“本当の健康状態”を見誤ることがあるため、体脂肪率の把握も大切ということです。
参考:【※1】中山 健太郎ほか(2020).企業のヘルスマネジメントのための年代別体型情報-隠れ肥満の男女別傾向-,日本生産管理学会論文誌
【※2】WHO Expert Consultation. (2004). Appropriate body-mass index for Asian populations and its implications for policy and intervention strategies. The Lancet, 363(9403), 157–163.
女性の体脂肪率の平均と理想とは?
女性の体脂肪率は年齢や体型によって変化しますが、日本人女性の平均は約25~29%前後が目安です。ここでは平均値や理想の目安、年齢別の傾向をご紹介します。
日本人女性の平均体脂肪率
日本人女性の体脂肪率は、年齢とともに徐々に上昇する傾向があります。国内の3つの研究データ(計1,544名の日本人女性を対象)から算出した日本人女性の平均体脂肪率は以下のとおりです。【※3】
日本人女性の平均体脂肪率:28.9%(±6.8)
この平均値は20~70代までの女性を対象にしたものです。一般的に、体脂肪率30%を超えると肥満とされ、健康リスクが高まる可能性があります。
【年代別】日本人女性の平均体脂肪率
体脂肪率は、年代によっても大きな違いが見られます。とくに中年期以降は、体重に大きな変化がなくても脂肪の割合が高くなる傾向があります。
下の表は3つの研究データを統合した日本人女性の年代別平均体脂肪率です。【※3】
年代 | 女性の平均体脂肪率 | 標準値差 | 対象人数 |
20代 | 26.2% | ±4.8 | 190人 |
30代 | 27.1% | ±6.0 | 113人 |
40代 | 28.5% | ±7.3 | 370人 |
50代 | 29.7% | ±6.6 | 493人 |
60代 | 31.1% | ±6.6 | 291人 |
70代 | 27.3% | ±7.7 | 87人 |
年齢を重ねると体脂肪率が高くなりやすいのは、加齢によって代謝が落ちたり、ホルモンの変化で脂肪がつきやすくなるからです。
参考:【※3】①長崎大学大学院医歯薬学総合研究科「成人女性の肥満に関する意識と体脂肪率との関係」
②名古屋学芸大学 健康・栄養研究所「健康診断受診者の年齢別、性別の体組成の検討」③
理想的な体脂肪率の目安
理想の体脂肪率は、何を重視するか(健康・見た目・競技レベル)によって異なります。以下は目的別に見た体脂肪率の目安と、それぞれの特徴をまとめたものです。
目的 | 理想体脂肪率の目安 | 特徴・印象 |
健康維持 | 20~29% | 最も標準的で健康的。病気リスクが少なく、生活の質も安定しやすい。 |
女性らしい体型 | 24~27% | 女性らしい丸みとくびれが共存。身体のラインが整って見えやすい。 |
スリムな見た目 | 18~23% | 細身で引き締まって見えるが、低すぎるとホルモンバランスや体調を崩すリスクがある。 |
アスリート | 14~18% | パフォーマンス重視の筋肉質体型。一般女性にはやや負荷が大きい数値。 |
美容目的で体脂肪率を下げすぎると、生理不順や疲れやすさ、冷えなどの不調につながることがあります。



理想を追いすぎず、自分の体調に合った「ちょうどいいバランス」を見つけることが大切です。
【写真で比較】体脂肪率ごとの見た目の違い
体脂肪率は「見た目」にも大きく影響します。
下記画像は、体脂肪率が異なる女性8名の比較です。


同じ体重でも体脂肪率が変わると、引き締まり方やボディラインがまったく異なります。体脂肪率は「見た目の印象」に直結しますが、筋肉量や姿勢によっても印象は大きく変わります。
体脂肪率ごとの見た目の印象
体脂肪率 | 見た目の印象 |
---|---|
20%前後 | 筋肉の輪郭がうっすら見える。ウエストや脚が引き締まり、腹筋も軽く浮き出る。モデル体型に近い印象。 |
25%前後 | 健康的かつ女性らしい柔らかさもある。くびれはあるが、腹筋のラインはやや見えにくい。標準的な美ボディ。 |
30%前後 | ぽっちゃりとした印象が出てくる。お腹・腰回りに脂肪が目立ちやすく、服でカバーする人も増えるゾーン。 |
35%前後 | 全体的にふっくらし、二の腕や太ももにボリュームがある。お腹は手でつかめる厚い脂肪がつきやすく、健康面のチェックも必要。 |
40%以上 | お腹や背中を含めて全身に脂肪がしっかりついている。動きにくさや疲れやすさを感じる人も。生活習慣の改善が必要。 |
体脂肪率は低ければ良いというものではありません。大切なのは、自分がにとって心地よく、健康を保てるかどうかです。



写真と照らし合わせながら、自分の理想に近い体脂肪率をイメージしてみてください。
体脂肪率が高くなる原因


体脂肪率が高くなる主な原因は、摂取カロリーが消費カロリーを上回ることです。食べ過ぎや運動不足によってカロリーバランスが乱れると、脂肪の蓄積=体脂肪率の上昇につながります。
体脂肪率が上がる5つの要因
原因 | こんな習慣が影響 |
---|---|
①筋肉量が少ない | 運動不足が続いていると、筋肉が減って代謝が下がる |
②糖質・脂質のとりすぎ | 外食やコンビニ食が多く、知らずに高カロリー食が続いている |
③夜遅い時間の食事 | 昼食後の空腹時間が長く、夜にドカ食い→血糖値が急上昇して脂肪がつきやすい |
④甘いものの間食 | 毎日お菓子をつまむのが当たり前。間食も積み重なるとカロリーオーバーの原因に。 |
⑤お酒の飲みすぎ | 週3回以上の飲酒習慣がある。→アルコールの代謝が優先され、他の栄養素が脂肪として蓄積されやすい |
暴飲暴食していなくても、こういった習慣の積み重ねで体脂肪は増えてしまいます。



気づかぬうちに体脂肪率を高める習慣がないか、自分の生活を振り返ってみましょう。
体脂肪率が高すぎる・低すぎるリスク
体脂肪率は多すぎても、少なすぎても健康に影響します。数字と健康のバランスをとることが大切です。ここでは、体脂肪率が基準値から大きく外れた場合のリスクを紹介します。
体脂肪率が高すぎるリスク
体脂肪率が30%を超えてくると、見た目の変化だけでなく、病気への影響も懸念されます。
リスク | 内容 |
---|---|
生活習慣病のリスク増加 | 内臓脂肪が多くなると、高血圧・糖尿病・脂質異常症などの発症リスクが高まる |
疲れやすい・動きづらい | 体が重くなり、運動量が低下。さらなる肥満を引き起こす悪循環に陥りやすい |
ホルモンバランスの乱れ | 自律神経やホルモンに影響が出ると、代謝の悪化や食べ過ぎを招く |
メンタルへの影響 | 見た目に自信を失い、ストレスやうつ状態につながる可能性も |



体脂肪率30%を超えている方は、運動や食事の習慣を見直すのがおすすめです。
体脂肪率が低すぎるリスク
体脂肪率が20%を下回るような状態では、見た目は引き締まって見えるものの、体調に支障が出ることもあります。
リスク | 内容 |
---|---|
生理不順・無月経 | 脂肪が少なすぎると女性ホルモンの分泌が低下し、月経トラブルが起こりやすい |
冷え・疲労感 | エネルギーの蓄積が不足し、常にエネルギー不足のような状態になる |
骨粗しょう症のリスク | ホルモン低下が骨密度に影響を与え、将来的な骨折リスクが高まる |
免疫力の低下 | 脂肪が極端に少ないと免疫機能にも影響し、風邪をひきやすくなることも |



見た目と健康のバランスをとって、ちょうどいい体脂肪率を維持しましょう。
体脂肪率を下げる方法|今日からできる食事・運動・生活習慣
体脂肪率を下げるには、特別な食事制限やハードな運動よりも、続けられる生活習慣の改善が大切です。ここでは、今日から始められる簡単な方法を、食事・運動・生活習慣の3つに分けて紹介します。
食事のコツ
- ①摂取カロリーを把握
-
「摂取カロリー<消費カロリー」の状態をつくることが基本です。食事管理アプリを使うと、手軽にカロリー収支を把握できます。
- ②タンパク質をしっかり摂取
-
筋肉量を維持し、基礎代謝を落とさないために重要です。毎食、手のひら1枚分のタンパク質(鶏肉・魚・豆類など)は摂りましょう。
- ③野菜・食物繊維を増やす
-
野菜のビタミン、ミネラルが代謝を円滑に進めます。食物繊維は血糖値の急上昇を防ぎ、脂肪の合成を抑える効果があります。
- ④間食を工夫する
-
甘いものは血糖値が急上昇して脂肪がつきやすいです。普段の間食はナッツやヨーグルト、ゆで卵などがおすすめ・甘いものは運動前に食べるとエネルギー源になり、脂肪に変わりにくいです。
- ⑤お酒を控える
-
お酒は週2回以内を目安に楽しむのがおすすめです。毎日飲む人は、休刊日を設けるだけでも効果的です。
何から改善すればいいかわからない方は、まずは食事記録から始めましょう。


運動のコツ
- ①週2~3回の筋トレ
-
基礎代謝を上げて、脂肪が燃えやすい体をつくれます。最初は自重スクワットやプランクから始めてみてください。
- ②有酸素運動を20分以上
-
ウォーキングや軽いジョギングでも脂肪燃焼効果あり!連続20分行わなず、1回10分×2回でも同じ効果が得られます。
- ③日常生活でカロリー消費
-
エスカレーターを階段する、掃除する、通勤で歩く、徒歩で買い物に行くなどの日常動作は「立派な運動」です。 小さな積み重ねで1日の消費カロリーが大きく変わります。
続けられる運動を見つけることが、一番大切です。運動に抵抗がある方は、始めやすくて続けやすい「オンラインパーソナルトレーニング」も検討してみてください。
生活習慣のコツ
- ① 睡眠を6時間以上とる
-
睡眠時間が短いと、食欲ホルモンの乱れや代謝低下に繋がります。夜のスマホ時間を短くして、6~8時間睡眠をとれると理想的です。
- ② 食事時間を空けすぎない
-
空腹が長く続くと、暴食や血糖値の急上昇につながりやすいです。朝食を食べる、15時頃に間食を摂るなどの工夫してみましょう。
- ③ 体重・体脂肪率を“記録”する
-
毎日同じ時間に測ると、少しの変化に気づけます。記録をつければ、「どんな生活をすると体重や体脂肪率が変わるのか」もわかるようになります。


まとめ|数字よりバランスが大事
この記事では女性の体脂肪率について紹介しましたが、大切なのは、数字に振り回されず、健康的で自分らしい体を目指すこと。体脂肪率を下げたい場合は、食事・運動・生活習慣のバランスがカギになります。
自分ひとりで習慣を改善するが難しいと感じたら、プロのサポートを受けるのがおすすめです。
オンラインパーソナルで理想のカラダへ


オンライン完結のパーソナルジムCLOUD GYMでは、運動と食事の両面からあなたの体づくりをサポートします。
👉 スマホ1つでOK、自宅で気軽に始められるから続けやすい!今なら無料体験実施中!
\ オンラインパーソナルジム部門3冠達成! /


CLOUD GYMトレーナー。
RIZAPでトレーナー・カウンセラー・マネージャーとして経験を積み、著名人のボディメイクも多数担当。トレーニング指導歴14年目、1,000名以上のダイエットをサポートしてきた実績を持つ。
特に女性向けボディメイク(特に下半身太り・お腹まわり)や産後のダイエット、期限付きのボディメイクを得意とし、目標に合わせたオーダーメイドのプログラムを提供。
保有資格
- NSCA-CPT(認定パーソナルトレーナー)
- 介護福祉士
過去には介護・医療業界にも従事しており、解剖学や運動理論のほか、スポーツ心理学・栄養学・美脚プログラム・シニアプログラムなど幅広い専門知識を持つ。その経験を活かしながら、現在はオンラインでマンツーマンのダイエット指導を通じて「健康への第一歩」を届けている。