パーソナルジム開業で大切なポイントは?開業資金や集客方法を解説!

パーソナルジムを開業したいけれど、「利益が出るのだろうか」「運営できるのか」「トレーナー経験がなくてもできるのか」など不安を抱いていませんか?

パーソナルジムのトレーナーは資格不要、かつ低予算で開業できるため、他の業種と比べて開業しやすいです。しかし、軌道に乗せるために気を付けた方が良いこと、集客方法など開業する前に知っておいた方が良いことがたくさんあります。

そこでこの記事では、現在のフィットネス業界の実態やパーソナルジム開業時に抑えておきたいポイント、トレーナーの資格、集客方法、開業するメリットについて解説していきます。パーソナルジムを開業する際の参考にしてみて下さい。

現在のフィットネス業界の実態

パーソナルジム業界は、経済産業省大臣官房調査統計グループの調査によると、コロナ禍の影響で2020年に激減しています。売上高は前年と比べると-35.1%、利用者数は-34.1%となっています。しかし、2022年11月のフィットネスクラブの売上高は、232憶1,200万円で前年の同月と比べるとプラス7.1%と12カ月連続増加しています。利用者数の合計は、1,789万690人で前年同月と比べるとプラス2.5%と21カ月連続して増加中です。

参照:経済産業省 大臣官房調査統計グループ「特定サービス産業動態統計速報」

そして、2010年までは「汗を流して運動を行う場所」として提供するフィットネスジムが主流でしたが、ここ数年で「ボディメイク・健康維持・ストレス解消・ダイエット」など特定の目的に特化した専門性の高いフィットネスクラブが人気となり、フィットネス形態が大きく変わりました。

今後は、コロナウイルスの影響を契機とした生活スタイルの変化によって、オンラインフィットネスを行う人が増えています。これを運営スタイルとして取り始めたことで、数カ月間で利用者や利用者層が一気に拡大すると予測されています。そのため、集客を行いやすく、パーソナルジムの開業は十分に将来性が見込まれるビジネスです。

パーソナルジム開業で抑えておくべきポイント

パーソナルジムの開業で抑えておくべきポイントは以下5つです。

  • 開業資金
  • 開業資金の調達
  • 開業届を提出
  • 資格は必要?
  • 競合調査

開業資金

パーソナルジムを開業するうえで、かかる資金は初期費用とランニングコストの2つに大きく分けられます。パーソナルジムの開業には最低でも100万円から300万円の費用が必要です。開業するジムの希望やエリア、物件の広さによって異なりますが、パーソナルジムの開業にかかる開業資金には以下のものが含まれます。

  • 物件取得費
  • 内装費
  • 設備資金(マシンなど)
  • その他費用(パソコン・印刷機などの電子機器、洗濯機などの家電製品、消耗品など)

1部屋分のスペースでも開業できるのがパーソナルジム事業のメリットです。しかし、マンションの1室を使って行う場合、騒音問題などの理由から、厳しくなりつつあります。

開業資金の調達

パーソナルジムの開業資金は上記のような内訳から発生します。費用は一概にこの金額とは言えませんが、小さい額ではないため、しっかり事業計画を立てることが大切です。

パーソナルジムの開業資金を100万円程度で安く抑えることもできますが、その場合設備投資が少なく、サービスの質が下がってしまいます。結果、リピーターが獲得できず売り上げが出ないなどと、後々大きなリスクを背負うことになってしまうでしょう。

開業資金をどうしても抑えたいという方は、フランチャイズ契約による資金援助や日本政策金融公庫などから支援してもらうことを推奨します。日本政策金融公庫から支援を受ける場合は事業計画書の作成が必要なので把握しておきましょう。

開業届を提出

パーソナルジムが完成に近づき、もう少しで始められるというタイミングで「開業届」を提出しましょう。開業届は税務署に出します。また、開業届以外にも「個人事業開始申告書」という書類を各都道府県の税事務所に提出する仕組みになっています。しかし、年間所得が290万円を超えなければ事業税が発生しないため、この申告書を提出しなくても問題はありません。

また、昨今のコロナの影響に関して「助成金」や「補助金」が多く出ています。これらの制度は開業届を出していないと基本的に申請できません。そのため、万が一の時のことを考えて開業届は提出するようにしましょう。場合によっては、「個人事業開始申告書」も必要なため、あらかじめ確認しておいてください。

また、自営業者は毎年「確定申告」を行います。開業届を提出する際に、白色申告書もしくは青色申告書のどちらかを選んで提出します。青色申告の方が控除額が大きいため、支払う税金の額も小さくなります。青色申告を提出してこれらの控除をうけるためにも、開業届は提出しておきましょう。

資格は必要?

パーソナルジムを開業するにあたって、必要な資格はありません。開業だけでなく、パーソナルトレーナーになるための資格も存在しないのです。そのため、誰でも開業でき、パーソナルトレーナーになれます。

しかし、いくら資格がないといっても、トレーナーはお客さんの目標とする身体へ導く仕事です。名乗ることは誰でもできますが、お客さんの健康を守りつつ、結果が出るまでサポートすることは、知識のないトレーナーには難しいです。

パーソナルトレーナーに必須の資格はありませんが、お客さんにとっての「安心材料」として何かしら提示できるものや、経験を積んでおくことをおすすめします。また、資格を持っていれば、ホームぺージやSNSアカウントにも記載できるので、パーソナルジム自体の信頼度も上げることができます。記載しておくと集客も行いやすいです。

お客さんの安心材料として提示できるトレーナーの資格には以下が挙げられます。

  • JATI-ATI(JATI認定トレーニング指導者資格)
  • NSCA-CPT (認定パーソナルトレーナー)
  • CSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)
  • FCM技能検定(フィットネスクラブマネジメント)
  • NESTA-PFT(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会認定パーソナルフィットネストレーナー)

競合

パーソナルジムの開業において「どのようなコンセプトにするか」は他のジムとの差別化において重要です。数えきれないほどのパーソナルジムが存在している今、コンセプトが不明瞭だと、競合に埋もれてしまいます。集客もしにくくなってしまいます。最低でも半径2キロ以内のパーソナルジムやジムのトレーナーを調査して、自分のパーソナルジムの強みや特徴、コンセプトなどを選定していきましょう。

具体的に考えると「主なお客様」「ジムを開くエリア」「提供するサービス」「競合との差別化ポイント」「どんなトレーナーがいるのか」などがあります。出店したいエリアにはどんなニーズを持った顧客がいるのかを調査し、サービス内容を決めるとスムーズです。

パーソナルトレーニングのジムの経営において、顧客は個人であるため、ターゲットの属性や悩みを細かく設定しておきましょう。「何をコンセプトにしていて、どんな人が向いているのか」を明確にしておくことが重要です。

パーソナルジムの集客

近年はインターネットが幅広い年代に浸透しており、業界問わずwebやSNSを使用した集客が欠かせません。パーソナルジムの集客方法には以下4つ挙げられますが、最近はオンラインでの集客がメインになってきています。

  • SNS
  • ビジネスプロフィール
  • チラシやポスティング
  • リスティング広告やSNS広告

SNS

SNSを活用するのも、パーソナルジムの集客方法の1つです。費用をかけずに始められ、拡散力が高いため、比較的多くの方が使用しています。InstagramやTwitter、Facebook、TikTokなどが挙げられます。

見込み客の方とコミュニケーションを取りたい方はFacebook、写真を投稿したい方やセルフブランディングをしたい方はInstagramがおすすめです。他にもTwitterやLINEなどを活用できるSNSは多数あるため、それぞれの特徴を確かめながら利用するものを検討してみてください。

クーポンコードを用意して「入会金無料」「通常プランにプラス3回無料サービス」などのお得な情報を発信するのも1つの方法です。加えて、実際のトレーニング風景を動画や写真で公開することで、ジムの雰囲気がより伝わりやすくなります。

Googleビジネスプロフィール

Googleビジネスプロフィールは、Google検索やGoogleマップ検索で表示される自店舗の情報をオーナーとして管理できるツールです。店舗や施設を持つ企業がGoogle経由での集客力を高めるため、あるいはユーザーに店舗・施設の情報を伝えるために使用しています。

Googleビジネスプロフィールの特徴は、無料で使用できることです。基本的にGoogleビジネスプロフィールの管理や修正は費用がかからないため、大手チェーン店を含め、地元の小規模ビジネスなど問わず集客に活用しています。

Googleビジネスプロフィールで効果的に集客ができる理由として以下が挙げられます。

  • Googleマップは地図アプリの中で利用者数No.1
  • 変化するユーザーの検索動向に適応できる
  • インサイト分析を使って施策を進められる
  • 最新の情報を目立つ場所に表示できる

このように、無料で宣伝できたり、Googleマップや店舗の写真も検索結果に表示されるため、Google検索よりも視覚的に分かりやすくユーザーに自店舗をアピールできます。定期的に更新すると、ユーザーにリアルタイムの情報を伝えることができ、Googleの評価が上がりやすいです。

上位化したいキーワードでMEO対策をして、上位表示することができれば、露出が増えてより多くのユーザーにパーソナルジムを知ってもらうことも可能です。

チラシやポスティング

チラシやポスティングは、オフライン集客の際に利用されています。近隣の住宅に効果的です。事前にターゲット層を決め、ジムの詳細を分かりやすくまとめて狙いたいエリアに自由に配布してみましょう。他にも、キャンペーンを実施するタイミングで、ポスティングを行うのも集客効果が上げられます。

ただ、人が行うため1日に配れる枚数が限られてしまったり、配布したいエリアの住宅がチラシの配布を禁止にしている場合、配ることができないので注意が必要です。

リスティング広告やSNS広告

デジタル広告と言われるもので、webサイトやストリーミングコンテンツなどのオンラインチャネルを通じたマーケティング方法です。印刷やCM広告などと比べて作成時間が短く、作成後すぐにメディアに発信できる柔軟さ、広告に興味を持ちそうな特定のユーザーをリーチするためのさまざまな広告方法を使えるのが特徴です。

リスティング広告とは、検索エンジンの検索結果に連動して表示される広告方法です。ユーザーが検索した内容の類似内容が検索結果に表示される仕組みです。キーワードを検索しているユーザーの関心が高い時に広告を表示できるため、コンバージョン率が高くなりやすいです。体験予約や入会完了をコンバージョン率として、コンバージョン単価を見極めることができます。

パーソナルジムの集客方法についてより詳しく知りたい方は下記記事を参考にしてください!

それぞれの広告の特性を網羅的に記載しているので、どのような方法で集客すれば良いのかより解消度が上がります。

パーソナルジムを開業するメリット

店舗を構えて開業する形態のビジネスは、パーソナルジム以外にも飲食店やサロンなどたくさんあります。その中でもパーソナルジムを開業するメリットを以下2つ紹介します。

  • 特別な資格はいらない
  • 他の事業と比べて低予算で開業できる
  • 在庫がないので利益率が高い

特別な資格はいらない

パーソナルジムを開業するために必要な資格は特にありません。トレーナーと名乗ることも資格は不要です。そのため、開業しようと思えば、誰でもできます。

しかしトレーナーは、ジムの信頼性を担保するためにも、できるだけ資格は取得しておくことをおすすめします。さらに、フィットネスクラブなどでトレーナーをしていた経験や実績などが提示できると、さらに信頼度が上がります。

パーソナルトレーナーに関わる資格は多数あるため、自分が開業したいパーソナルジムの特性に合わせて、取得を検討すると良いでしょう。

他の事業に比べて低予算で開業できる

パーソナルジムは小規模の開業経営に適しており、マンションや自宅の一室、レンタルスペースなどで、1人でも開業できます。パーソナルジムの開業に必要な初期費用は希望によって異なりますが、機材購入や店舗改装などを想定すると小規模のジムであれば100万円~300万円で始められます。

パーソナルジムは小規模開業に適しています。なるべく人と接触することのないよう完全予約制を取り入れたパーソナルジムは、人々の需要や社会情勢と合っています。従業員数の多さや、規模の大きさを必要としないため、ランニングコスト面でも資金繰りのしやすい部類に入ります。

また、パソコンやインターネット環境があればできるオンラインレッスンは、すぐに始められ、低予算で開業できます。

在庫がないので利益率が高い

パーソナルジムの運営では、売上原価となる商品などは扱いません。パーソナルジムの運営に最低限に必要な経費は、賃料・水道光熱費・人件費・広告費のみです。加えて、顧客単価を高く設定する傾向がみられるため、必然的に利益率が高いです。

会員数に応じて見込み収入や必要となる経費の計算がしやすいため、パーソナルジム運営が初めての人でも管理しやすいビジネスです。

監修者:小原 元

監修者

パーソナルトレーナー

小原 元

大手スポーツクラブに入社し、トレーナーとして実績を積む。スイミングインストラクターとしても活動し、選手は全国大会にも出場。健康運動実践指導者の資格を持っており、海外にてフィットネス市場の知見を広め、帰国後は某スポーツクラブの立ち上げを任される。

大手スポーツクラブに入社し、トレーナーとして実績を積む。スイミングインスト...