「最近疲れやすくなった」「毎日体がだるい」など日頃から疲れやすいと悩んでいませんか?
疲れは体からのSOSサインです。疲れの原因を把握して対処しないと、慢性的な「疲労」が続く可能性があります。
実は運動不足が疲れやすい身体の原因になることがあります。
運動する方が疲れるのでは?と思う方もいるかもしれませんが、運動不足の人は疲れを感じやすくなってしまいます。この記事ではなぜ運動不足になると疲れやすくなるのかということをはじめ、以下のようなことについて解説していきます。
- 運動はなぜ疲労回復に効果的なのか
- 疲労を溜めない運動と食事の習慣
- 日常生活で疲労を溜めないようにするコツ
- 無理なく運動を継続するコツ
疲れを取るためには、運動以外にも十分な休養を取る、生活習慣を整えるなど毎日の身体的・精神的ストレスを解消することが必要です。疲れにくい体になるために生活全体の質を向上させる必要があります。
運動不足になると疲れやすくなる?
運動不足が原因で疲れやすくなります。運動不足により心臓や血管の働きが低下し、血液や酸素が効率的に体中に供給されなくなります。これが続くと、組織や筋肉に必要な栄養や酸素が不足し、疲れやすくなると考えられています。また、全身の筋力も低下しやすくなるので、基礎体力も衰えて疲れやすくなるのです。
以下では、運動不足になると疲れやすくなる理由を3つ紹介します。
- 血液の循環が悪くなる
- 筋力の低下で基礎体力が落ちる
- 睡眠の質が低下しやすい
血液の循環が悪くなる
慢性的な運動不足は、血行不良を招くと言われています。
身体の筋肉はポンプの役割を担っており、血液を循環させています。しかし、運動不足になると、このポンプの力が弱くなり、血行が悪くなってしまいます。
これにより、血液や水分の循環が悪くなり、筋肉に溜まった乳酸が排出されにくくなります。乳酸の蓄積は疲労を感じる原因です。
とくに、デスクワークなどで長時間同じ姿勢でいることが多い方は注意してください。血行が悪くなり、代謝が落ち、むくみや冷えを引き起こしやすくなります。
また、運動不足は、体内の酸素供給が不十分になりやすいです。筋肉や臓器は酸素を必要とし、血液の循環によって酸素が運ばれます。しかし、運動不足によって血液の循環が悪化すると、組織や臓器への酸素供給が不足し、筋肉組織では疲労感が増加すると言われています。
筋力の低下で基礎体力が落ちる
運動不足は筋力が低下してしまうため、基礎体力が落ちる大きな原因です。筋肉を使わないと、血液の循環も低下し、さらに筋力が衰え、疲れやすい体質へと変わってしまいます。
また、筋力が低下すると、同じ作業や動作を行う際により多くのエネルギーが必要になります。これにより、体全体のエネルギーの使用効率が低下し、疲労が早く訪れる可能性があります。
筋力の低下で体力が落ちると、立つ・歩くなどの移動能力が低下したり、仕事や家事をしたり、外出や趣味を楽しむなどの機会が減り、生活の質が下がりやすいです。
このように筋力の低下は身体のエネルギー効率や代謝機能の低下、血液循環の悪化などを引き起こし、結果的に疲れやすさにつながります。適切な運動や筋力トレーニングを取り入れることで、これらの影響を軽減し、疲れにくい身体を維持できます。
睡眠の質が低下しやすい
運動不足が続くと、睡眠の質が低下しやすいです。
睡眠は浅い眠りと深い眠りのサイクルから成り立っていて、適度な運動は深い睡眠を促進すると言われています。深い睡眠は体の修復や成長に重要ですが、運動不足の場合、深い睡眠の割合が減り、浅い睡眠が増える傾向があります。浅い睡眠が増えると十分な疲労回復が出来ないので、疲れが溜まりやすい体になってしまうのです。
そのため、睡眠の質を上げるためにも、日常に適度な運動を取り入れ、体を疲れさせることが必要です。
運動するとほとんどの疲労回復に効果的!
疲労にはいくつか種類があり、大きく分けると肉体的疲労、精神的疲労、神経的疲労の3種類に分けられます。これらの疲労は密接に関係しているため、放置してしまうと悪化したり、疲労が取れにくくなってしまいます。
そして、疲れている状態が続くと、疲れやすさを感じやすくなったり、倦怠感や脱力感につながることもあるため、要注意です。
疲労 | 詳細 | 症状 | 対策 |
肉体的疲労 | 乳酸などの疲労物質の蓄積で生じる。 筋肉を動かすためのエネルギーが不足してしまう。 | 体が動かしにくくなる 張り・疲労感・だるさなど | 必要な栄養素をきちんと摂取 休息を取る ストレッチや軽い運動を行う |
精神的疲労 | 精神的に緊張した状態が長く続くことで疲れを感じる症状。 職場や学校などでの人間関係や家庭での悩み事などのストレスが原因。 精神面だけでなく、身体にも症状が現れる。 | 疲労感・だるさ・倦怠感など | 生活習慣の改善 休息を取る 筋トレなどの運動 |
神経的疲労 | パソコン作業などで、神経や脳を酷使した状態が続くことで生じる。 脳の緊張状態が続くと起きる | 判断力の低下、睡眠の質の低下など | 睡眠時間を確保 筋トレなどの運動 |
精神的疲労や神経的疲労は運動不足が原因で蓄積されやすいです。人間関係のストレスやスマホの普及で精神的疲労や神経的疲労を感じる方が多いため、適度な運動で解消する必要があります。
肉体疲労は「アクティブレスト」という強度の低い運動に取り組むことで、疲労が回復しやすいと言われています。プロのアスリートは、翌日に疲労を溜めないために、試合後にジムでバイクを漕いだり、プールで運動をしています。
また、日常に適度な運動を取り入れることで、疲れにくい身体を作れます。
運動は血液循環促進により酸素供給を向上させ、エネルギー生産と消費で疲労を軽減させる働きがあります。さらに、ストレスホルモン調整や筋肉強化など心身の健康促進、睡眠質改善や免疫機能向上もさせるため、適度な運動は総合的な疲労回復に効果的なのです。
運動不足は疲れやだるさを感じやすくなる以外にも多くのデメリットがあるので、適度な運動を習慣化する必要があります。
疲れにくい体になるための運動と食事の習慣
疲れにくい体になるためには適度な運動習慣と規則正しい食生活を心掛ける必要があります。運動はジムに行かなくても自宅で出来る筋トレで疲れにくい体を目指せます。また、食事ではバランスの取れた栄養摂取が必要で、特にタンパク質を意識的に摂り入れると良いでしょう。
日頃から疲労を溜めない運動と食事の習慣を以下6つ紹介します。
- ストレッチ
- 散歩やジョギングなど身体を動かす
- 自宅でできる筋トレ
- 規則正しい食事を心がける
- 適度なタンパク質の摂取
- カフェインや糖分の摂りすぎに注意
上記すべての項目を一度に取り入れるのはハードルが高いので、無理のない範囲で徐々に習慣化していきましょう。
ストレッチをする
ストレッチなどの軽い運動は、疲労回復・翌日の疲れの軽減に効果的です。縮んだ筋肉をゆっくり伸ばしてあげることで、血流が良くなります。これは、酸素や栄養が体の隅々まで運ばれたり、疲労物質である乳酸を流れやすくするのに効果的だと言われています。
ストレッチには肉体的な疲労改善の効果はもちろん、精神的な疲労改善も期待できます。筋肉を伸ばすことで、副交感神経の働きが高まり、血圧や心拍数が下がり、リラックス効果が得られます。
ストレッチを行う際は、効果を高めるために腹式呼吸で行うのがおすすめです。鼻から息を吸い、お腹を膨らませ、口からゆっくりと静かに吐くことで副交感神経を優位にできます、
入浴後や就寝前がおすすめの時間帯です。筋肉や関節を大きく動かす無理なストレッチを寝る前にすると、逆に睡眠の質を下げてしまうため、リラックスしながら気持ちよく行いましょう。
散歩やジョギングなど身体を動かす
散歩やジョギングなどの運動は血行促進・酸素の供給などで疲労物質の排除や体力の向上などで長期的に疲れにくい体を作れます。また、軽い運動はストレスや不快感を軽減し、リラックス効果をもたらすため、精神的疲労にも効果が期待できます。
そして、日中に運動することで、夜の寝つきも良くし、睡眠の質も向上しやすいです。それだけでなく、運動によって体内の新陳代謝が高まり、各種ストレスにより傷ついた細胞を新調できます。
効率良く体を回復でき、翌日疲れがない状態で活動するためにも、散歩やジョギングなど適度な運動は大切です。運動時間は短くても良いので、少しでも取り入れるように心がけましょう。
散歩やジョギングなどの効果
- 適度な疲労感
- 寝つきが良くなる
- 新陳代謝が高まる
自宅で出来る筋トレをする
疲れにくい身体を作るためには、筋トレも効果的です。筋力量が増えると、同じ動きをする際により少ないエネルギーで済むようになります。筋肉が効率的に働くことで、身体への負担が軽減され、疲労が抑制されやすくなるのです。ジムに行く必要はなく、自宅で取り組める筋トレで十分です。
大きい筋肉を鍛えることで、疲れにくい体になるだけではなく、姿勢改善や腰痛予防、身体の機能向上などにより効果的です。
筋トレを行う際は、負荷の大きい運動ではなく、自分の体力に合った負荷・回数で、1日10~30分程度の軽い筋トレに取り組んでみてください。
無理のない範囲での筋トレであれば、心地良い疲労感が得られ、血流が改善し、代謝促進による疲労物質を除去する効果期待できます。また、筋トレをすることで、脳にも栄養が届きやすくなり、疲労改善効果も得られやすいです。
おすすめの筋トレ
- スクワット
- 腹筋
- プランク
- バイシクルクランチ
- プッシュアップ
- バックエクステンション など
規則正しい食事を心掛ける
疲れにくい身体を作るためには、規則正しい食事も大切です。エネルギーがないと身体は動かせないし、バランス良く栄養素が揃っていないと新陳代謝が上手くできません。
健康を維持するために、1日3食、足りない栄養素を間食で補うことを意識して、栄養バランスの整った食事を心掛けましょう。野菜・肉類・魚介類・乳製品・果物など多様な食材を摂ることで、必要な栄養素をバランス良く摂取できます。
栄養バランスを良くするために、1食ごとに主食(糖質)・主菜(タンパク質・脂質)・副菜(食物繊維・ビタミン・ミネラル)を組み合わせた献立を意識する必要があります。他にも、朝食を取る、夜食を食べないなども大切です。
疲労に良い食材を以下にまとめました。
- 糖質の代謝:ビタミンB1・B2
- 疲労回復:イミダペプチド
- 運動能力を保つ:カルシウム・鉄
- 乳酸を分解:クエン酸
- 乳酸の分解を促進:アスパラギン酸
- 新陳代謝、エネルギー代謝、免疫反応などをサポート:亜鉛
上記のような栄養素を含め、バランス良く取りましょう。もし、食事でバランス良く取ることが難しい場合は、サプリメントや健康食品を活用してみてください。
適度なタンパク質の摂取
タンパク質は筋肉の材料になるだけでなく、全身の細胞や組織を作る材料です。タンパク質を十分に取っていることで、体が回復しやすくなるため、普段からタンパク質を積極的に取ることが大切です。
また、タンパク質は筋肉の修復と成長に不可欠な栄養素です。運動や身体活動によって筋肉が損傷すると、適切な量のタンパク質を摂取することで、筋肉を修復し、成長させることができます。筋力が向上することで、疲れにくい体を目指せるのです。
また、睡眠や覚醒リズムを整える役割を持つメラトニン(睡眠ホルモン)はタンパク質から作られます。しかし、体内で合成できないため、食事からとる必要があります。
タンパク質を多く含む食材
- 卵
- 肉
- 魚
- 大豆製品
- 乳製品
タンパク質は、体重1㎏につき、1gが目安だと言われています。体重50㎏の人の場合は、1日のたんぱく質摂取量の目安は50gです。
カフェインや糖分の摂りすぎに注意
眠気覚ましやリフレッシュしたいときなどコーヒーやエナジードリンクなどのカフェインが入っている飲み物を飲む方も多いのはないでしょうか。
カフェインを摂取しすぎてしまうと、夜に寝付けなくなるなど睡眠の質を下げてしまいます。睡眠の質が下がると、疲労が翌日まで残ってしまう可能性があります。
特に夕方のカフェイン摂取には気を付けましょう。
▼カフェインを取りすぎないための対策
- 1日何杯までと決める
- カフェインの摂取タイミングを決める
- ノンカフェインの水分補給も重視
また、疲れた時やおやつの時間など甘いものを無性に食べたくなる時があります。甘いものを食べてしまうと、人間の脳は必要以上に糖分を欲しがるようになってしまいます。すると、身体が糖質過多になり、不必要な過剰糖分の作用により、身体が余計に疲れてしまうため、注意が必要です。
▼糖分を取りすぎないための対策
- 1日に食べる量を決める
- 砂糖の代替品を探す
- 他の栄養素もきちんと取る
- 糖分控えめのものを選ぶ
カフェインが含まれている飲み物や甘い食べものは日常的に意識しないとついつい取りすぎてしまいます。取りすぎてしまうと疲れがとれにくかったり、イライラしたりなどマイナスな結果を招いてしまい、危険です。
いきなり今の習慣をやめるのは難しく、ストレスがたまってしまうので、少しずつ自分のペースで意識していきましょう。
日常生活で疲労を溜めないようにするコツ
運動や食生活の改善で疲れにくい体づくりが可能ですが、日常生活においても疲労を溜めないようにする必要があります。毎晩十分な睡眠時間を確保し、ストレスをうまく発散させるなど日常生活で疲労を最小限に抑えることで、より生活の質が上がります。
そこで、日常生活で疲労をためないようにするコツを以下3つ紹介します。
- 十分な睡眠時間を確保
- 入浴
- 趣味などでリフレッシュ
十分な睡眠時間を確保する
睡眠には脳や体を休める効果があるため、十分な睡眠時間を確保することが大切です。
他にも、睡眠には日中にたまった疲労を回復させるだけではなく、記憶の整理や脳の老廃物除去などにも役立ちます。脳のエネルギー消費で発生した老廃物などを掃除でき、翌日脳が働きやすくなります。
十分な睡眠時間は個人差があるため一概に言えませんが、1日あたり6~7時間が目安です。長く寝れば休めているという訳ではないので注意しましょう。
しかし、十分な睡眠時間を取るだけで、睡眠の質が悪いと意味がありません。そのため、十分な睡眠時間を確保するだけでなく、睡眠の質も意識してみてください。
運動習慣以外にも、寝室の照明や枕の高さを自分に合うように調整するなど、心地よい睡眠環境を作りましょう。
入浴をする
入浴して身体を温めることで血流が良くなり、血液の循環を通して、体内の老廃物が回収されるため、疲労回復効果があります。
浮力が働くことで、全身の筋肉が緊張から解放され、全身のリラックス効果が得られるのも入浴のメリットです。リラックス効果により、疲労回復が期待できます。
また、全身に水圧がかかるため、血流だけでなく、リンパの流れも良くなり、むくみやだるさなどの改善にも効果的です。
- 血流促進
- 疲労回復
- リラックス効果
- 冷え性改善
- むくみやだるさの改善
趣味などでリフレッシュ
精神的疲労・神経的疲労はリラックスできる環境で過ごすことで疲労感が抜けやすいです。アロマオイルのような心地よい香りで癒しの空間を作ってみたり、買い物・カラオケ・スポーツなど趣味でリフレッシュする時間を作りましょう。
ただし、肉体的疲労の場合は、スポーツなど身体を動かしすぎると、余計に疲れてしまうため、注意が必要です。
肉体的疲労で身体を動かしたい場合は、散歩や軽いジョギングなどで疲労回復に効果があります。
無理のない範囲で運動を継続しよう!
運動不足は筋肉の過度な緊張や心肺機能の低下による慢性的な疲労感の原因です。運動不足の状態が続くと、普段の移動や階段の上り下り、日常的な生活動作などでも疲れを感じやすくなります。
運動は生理的なホルモンバランスを改善して、疲労回復効果が得られます。疲れにくい身体を作るためにも、運動を継続することが大切です。
身体少し疲れていても、アクティブレストという軽めの有酸素運動やストレッチを取り入れることで、身体的な自覚疲労を改善し、作業効率の向上につながります。
無理をして運動すると、かえって身体に疲れが溜まったり、ストレスが溜まってしまうため、無理のない範囲で運動を習慣化していきましょう。
疲れにくい体は、エネルギッシュな状態が続き翌日の体調やパフォーマンスが高い、新しいことに挑戦する意欲が高まるなど日常生活全体の質を向上させます。
また、精神的な安定感が増し、ストレスが引き起こす不快感も軽減されます。
トレーナーのサポートを受けて疲れにくい体づくりを目指そう!
運動不足は、血液の循環が悪くなったり、基礎体力が落ちたり、睡眠の質が低下したりなど身体が疲れやすくなってしまいます。
そのため、日頃から運動を行うことで、疲れにくい体づくりをする必要があります。
しかし、運動は自分の体力レベルに応じた運動をしないと、疲労を溜めたり、逆にケガにつながるリスクがあります。特に運動不足の方は、体力が低下している可能性があるため、慣れるまではトレーナーのサポートを受けた方が安全にトレーニングができます。
トレーナーは個々の体力や目標に合わせたトレーニングプログラムを作成し、正しいフォームや適切な負荷設定を指導します。これにより、怪我のリスクを減少させながら効果的なトレーニングが可能です。
1人ひとりのライフスタイルや体質を考慮しながら、無理のないプログラムでサポートしてくれるため、習慣化しやすいです。
運動不足で運動を始めるのに1人では不安、何をして良いか分からないなどという方は、トレーナーのサポートを受けることを検討してみてください。
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運動は自分のライフスタイル、体質に合った方法で継続して行うことが大切です。しかし、自己流で行ってしまうと、途中で挫折してしまったり、逆に疲労を溜めてしまう可能性が高まります。
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