筋トレ中に何度もあくびが出ると、「やる気はあるのに、どうして?」「もしかして身体がおかしいのかな」と不安になりますよね。
実は、筋トレ中にあくびが出るのは、決して珍しいことではありません。酸素不足や自律神経の働きによって起こる、身体の自然な反応です。
この記事では、筋トレ中にあくびが出る原因と対策をわかりやすく解説します。
トレーナー松本憲明パーソナルトレーナーの松本憲明です。
運動中のあくびは、身体が適応しようとしているサインです。身体の反応の意味を知ると、安心してトレーニングを続けられますよ。
筋トレ中にあくびが出るのは普通のこと?
筋トレ中にふと出る「あくび」に対して、「やる気がないのでは?」「集中してない?」と感じたことはありませんか?実はこれは、身体が自動的に起こす“生理的な反応”のひとつ。特にハードなトレーニング中に出るあくびは、脳と身体が適応しようとしているサインでもあります。つまり、恥ずかしいことでも、不真面目な証拠でもなく、よくある自然な反応なのです。



トレーニング中のあくびがでると不安になる気持ちはわかりますが、自然な生理反応なので安心してください。
筋トレ中にあくびが出る主な原因
筋トレ中のあくびの原因はさまざまですが、自然な生理現象であることがほとんどです。主な原因は、筋肉に血液が集中することで脳が酸素不足になること、睡眠不足や蓄積された疲労、自律神経の切り替えなどです。これらの要素が複合的に作用し、脳が酸素を取り入れようとしてあくびが出ます。あくびの原因を知り、コンディション改善につなげましょう!
酸素不足による脳の反応
筋トレをしていると、筋肉が酸素を多く必要とするため、体内の血流が筋肉に集中します。その結果、脳への酸素供給が一時的に減少し、体は脳の酸素不足を補うためにあくびを引き起こします。これは決して異常ではなく、身体が適応しようとする正常な反応です。



酸素不足になりやすいマスク着用でのトレーニングしている人や、筋トレ中に呼吸を止めるクセがある人は、あくびが出やすい傾向がありますね。
低血糖の可能性
筋トレ中にあくびが出る原因のひとつに、「低血糖(血糖値の低下)」があります。筋トレでは、筋肉を動かすために多くのエネルギー(体内の糖分)を消費します。血糖値が下がると脳がエネルギー不足となり、眠気やあくびが出やすくなります。
下記のような場合、低血糖があくびの原因かもしれません。
- トレーニング前の食事が不十分
- 食事制限中で糖質の摂取が少ない
- 長時間または高強度の運動をした



対策として、運動前にバナナやスポーツドリンクなどの軽い炭水化物をとるとよいでしょう。食事のタイミングが難しい場合、下記記事を参考にしてみてください。


覚醒反応としてのあくび
筋トレ中にあくびが出るのは、身体や脳が活動状態に切り替わる「覚醒反応」の一種である可能性があります。あくびには、脳を覚醒させるスイッチの役割もあるからです。これは、脳に酸素を送り込んでパフォーマンスを上げようとする自然な反応です。筋トレ中のあくびも、体が「これから集中するぞ」と切り替えている証拠なのです。
集中とリラックスの切り替え
筋トレ中、集中状態から少し気が緩む瞬間に、あくびが出ることがあります。これは交感神経優位(緊張状態)から副交感神経優位(リラックス)へと切り替わる際の自然な反応です。特にセット間の休憩中など、緊張が緩んだタイミングで起こりやすい現象です。
睡眠不足・疲労の影響
蓄積した疲労や睡眠不足があると、脳のパフォーマンスが低下し、あくびが出やすくなります。22時∼2時のゴールデンタイムと呼ばれる時間は成長ホルモンが活発に分泌され、筋肉の疲労回復にも効果があるともいわれています。日ごろから睡眠時間を確保することや、疲労がある日はトレーニングを控えることを意識しておきましょう。
筋トレ中にあくびが出たときの対処法


筋トレ中にあくびが出るのは、体や脳からのサイン。適切に対処すれば集中力を保ち、効果的なトレーニングが可能です。呼吸や休憩、ウォーミングアップなど、基本的なポイントを押さえることで、パフォーマンスの向上と疲労の軽減にもつながります。
休憩時間を確保して呼吸を整える
トレーニング中はセット間に30秒~90秒の休憩を設け、心拍と呼吸を落ち着けましょう。浅い呼吸が続いた状態でトレーニングを続けると酸素不足に陥ってしまいます。インターバル中に深くゆっくりとした呼吸を意識すると、脳にも酸素が運ばれてあくびの対策になります。
呼吸のタイミング・ペースを意識する
筋トレ中にあくびが出やすい場合は、呼吸法や息を止めてしまうクセを見直すことが効果的です。基本的な対処法として、動作に合わせて「力を入れるときに吐く、力を抜くときに吸う」を意識しましょう。深くゆっくり呼吸することで、酸素が体中に十分に行き届き、あくびが出にくくなります。。呼吸を整えると集中力もアップし、トレーニング効果も高まります。
ウォーミングアップを丁寧に行う
いきなり高強度のセットに入ると、血流や神経系の準備が不十分なままで、酸素供給が追いつかず、あくびが出やすくなります。軽い有酸素運動やダイナミックストレッチなどで、体を徐々に運動モードに切り替えていきましょう。ウォーミングアップを丁寧に行うことで、酸素供給や血流がスムーズになり、あくびの予防につながります。
強度設定を調整する
負荷が高すぎると、体に余計なストレスがかかり、あくびや集中力の低下を招くことがあります。特に初心者は「少し余裕がある」と感じるくらいの強度から始め、無理のない範囲で徐々に負荷を上げていくことが大切です。強度を少し下げることで呼吸が整い、自律神経の安定や酸素供給が改善され、あくびの頻度を抑える効果が期待できます。
まとめ|筋トレ中にあくびが出るのは悪いことではない


筋トレ中にあくびが出るのは、身体や脳が発する自然なサインです。酸素不足や疲労、神経の切り替えなどが関係しており、異常ではありません。あくびの頻度が気になる方は、呼吸の意識、休憩の確保、準備運動、負荷調整といった基本を見直し、集中力とトレーニング効果を高めましょう!
よくある質問(FAQ)
筋トレ中にあくびが出るのは異常?
基本的には異常ではありません。筋肉への血流集中による脳の酸素不足や、自律神経の切り替えなどが原因で、あくびが出ることはよくあります。ただし、息苦しさや立ちくらみを伴う場合は、オーバーワークや体調不良のサインかもしれません。
筋トレ中にあくびが出て、吐き気を感じます。
あくびとともに吐き気がある場合は、酸素不足や過度な負荷、血糖値の低下などが考えられます。一度トレーニングを中止し、深呼吸や水分補給を行ってください。改善しない場合や繰り返す場合は、無理せず医師に相談することをおすすめします。
頻繁にあくびが出て、集中できないときは?
集中力が続かず何度もあくびが出る場合は、睡眠不足や過労、ストレスが原因かもしれません。その場合にはトレーニング量を減らしたり、軽い運動に切り替えるのも有効です。まずは十分な休養をとり、心身を整えることを優先しましょう。
筋トレのやる気が出ないときはどうすればいい?
やる気が出ない日もあります。そんな時は「少しだけでも動く」ことを目標にするとハードルが下がります。短時間のメニューやストレッチに切り替えてもOK。音楽を聴いたり、ウェアを変えるなど気分転換も効果的です。無理なく続けることが大切です。
筋トレを始めてから汗をかきやすくなったのはなぜ?
筋トレを始めてから汗をかきやすくなったのは、体が運動に慣れて体温調節機能が高まったからです。筋肉量の増加で基礎代謝が上がり、運動中に熱を生みやすくなります。また、自律神経の働きが活発になり、体温上昇にすばやく反応して汗をかくようになります。これは運動による正常な適応反応であり、汗をかきやすくなるのは、体が効率よく熱を逃がそうとしている証拠です。健康的な変化として前向きに捉えてOKです。


CLOUD GYMトレーナー
元公立小学校の体育教諭として10年以上勤務。早稲田大学教職大学院を修了し、教育×心理×フィットネスの3つの専門性を掛け合わせたアプローチが強み。
トレーニング理論・解剖学・栄養学に加え、行動心理学やカウンセリング技法の知見も活かし、「一生リバウンドしないダイエット指導」を得意とする。
保有資格
- NSCA-CPT(認定パーソナルトレーナー)
- 公認心理師
- 小学校教諭専修免許
- 教職修士
指導スタイル・得意分野
トレーニングや食事の知識を教えるだけでなく、実際に「できる・続けられる」ようになるまで伴走する丁寧なコーチングスタイルに定評がある。心と身体の両面に寄り添いながら、30代以降の体質改善、女性のダイエット、子どもの体力向上など、幅広いニーズに対応している。
指導歴
- フィットネス&メンタルの両面サポート歴5年
- オンライン指導実績50名以上
- 小学校体育の指導歴10年以上















