健康的にダイエットを成功させるためには、トレーニングの他に食事にも気を配る必要があります。
特定の栄養素だけを極端に制限したり、断食といったダイエット法では一時的に体重は落ちるもののリバウンドのしやすい体になってしまいます。
そして栄養バランスを考える際に覚えておきたいのがPFCバランスという考え方です。
今回の記事では、PFCバランスとは何か、理想のPFCバランスの計算方法などをご紹介します。
PFCバランスとは何か
PFCバランスとは、生命維持に欠かせない主なエネルギー源となる三大栄養素のことです。
「P=たんぱく質」「F=脂質(脂肪)」「C=炭水化物」の頭文字をとってPFCバランスと言います。
健康的な食事や無理のないダイエットを行うには、PFCバランスを意識することが大切です。
自分の理想とする体型によってPFCバランスは異なってくるので、理想のPFCバランスを理解することで無理のないダイエットを行うことが可能になります。
例えば、脂質(Fat)に含まれる1gあたりのカロリー量は9kcal、タンパク質(Protein)や炭水化物(Carbo)は1gあたり4kcalとカロリー量が異なります。
脂質のカロリー量は他のタンパク質や炭水化物と比べて2倍以上もカロリー量があるので、脂質を摂りすぎると太ると言われます。
また、5大栄養素となると、ここにビタミン、ミネラルが追加されます。3大栄養素の他にも野菜や果物といった食材が大事であることがわかると思います。
1. Protein(タンパク質)
Protein(タンパク質)は筋肉や血管、皮膚や髪などの身体組織の主成分となります。
タンパク質は、動物性と植物性の2種類があり、複数のアミノ酸が組み合わさってできています。
体の材料となるアミノ酸はこのうちの20種類で、それぞれの目的に合わせて結合し、約10万種類のタンパク質へと形を変えます。
筋肉や髪などが同じタンパク質からできているのにも関わらず形が異なるのには、このようなアミノ酸の組み合わせに原因があります。
また、20種類のアミノ酸のうちの9種類は体内で合成できないため、食事から直接摂取する必要があります。これを必須アミノ酸といいます。
もし、タンパク質が十分に摂取されないと、消化・吸収などの内臓機能の低下、代謝の低下、免疫力の低下、筋肉量の減少や肌・髪のトラブルなどに繋がります。
タンパク質は1日に体重1kgあたり1g程度、トレーニングを習慣的に行う方は体重1kgあたり1~2g程度を目安に摂取するようにしましょう。
動物性タンパク質と植物性タンパク質の違い
魚介・肉・卵などに含まれているのが、動物性タンパク質、豆類・小麦などに含まれているのが植物性タンパク質です。
植物性タンパク質は総カロリーが低めですが、動物性タンパク質は脂質が多いのでカロリーが高めになる傾向があります。
しかし、動物性は植物性に比べて体内への吸収率が良いという利点もあります。
2. Fat(脂質)
Fat(脂質)は体内のエネルギー源になるだけでなく、皮下脂肪として体のクッションになる、ホルモンや遺伝子の材料、栄養素の吸収や運搬、体温調整、栄養素の合成や貯蔵などの役割があります。
脂質を取りすぎると、肥満や高血圧などの生活習慣病の原因となります。反対に不足してしまうと、皮膚炎やホルモンバランスの乱れ、エネルギー不足の原因にもなります。
また、1gあたり9kcalとカロリーが3大栄養素の中で最も高くなっています。
食事のカロリーに対する脂質のエネルギー比は20〜30%にすることが望ましいとされています。
1日の脂質の目標量は女性で45~65g、男性で60-90g程度となります。
ダイエットや健康のためには不飽和脂肪を摂るよう心掛けましょう。アボカド、ナッツ類、青魚、オリーブオイルなどが優れた脂質源です。
3. Carbo(炭水化物)
Carbo(炭水化物)とは、筋肉や脳などの体の重要なエネルギー源です。白米、玄米、麺、芋などの主食や、砂糖といった甘いものに多く含まれています。
また、からだ便の水分コントロールにも関係しています。
もし炭水化物が不足すると、筋肉自体を分解してエネルギーを作ろうとするため、筋肉量や基礎代謝の低下に繋がります。
逆に、炭水化物を取り過ぎてしまうと、血糖値上昇につながり脂肪が合成され、皮下脂肪や内臓脂肪として蓄積される可能性があります。
食物繊維が豊富な全粒穀物・野菜・果物を選ぶことで、満腹感を保ちつつ適切なカロリー摂取を実現しましょう。
PFCバランス計算方法
ここからは実際にPFCバランスの計算方法をお伝えします。
まずはじめに摂取カロリーを計算してから、PFCバランスを調整してください。自分の理想のPFCバランスを設定し、普段の食事を見直してみましょう。
自分の理想の摂取カロリーを計算する
まずは、自分に適した摂取カロリーを計算しなければなりません。
ただ体重を落としたい..という方であれば、摂取カロリーを大幅に制限することで体重は減少するでしょう。
しかし、ただ単に摂取カロリーを制限するだけでは、筋肉量・基礎代謝の低下などからリバウンドをする可能性が高まってしまいます。
1日のエネルギー必要量の計算式は
- 1日の推定エネルギー必要量 = 基礎代謝量 × 身体活動レベル
となっており、基礎代謝量に身体活動レベルをかけたものが推定エネルギー必要量となっています。
年齢別の基礎代謝量の目安
- 15〜17歳 男性:27.0(kcal/kg/日)、女性:25.3(kcal/kg/日)
- 18~29歳 男性:23.7(kcal/kg/日)、女性:22.1(kcal/kg/日)
- 30~49歳 男性:22.5(kcal/kg/日)、女性:21.9(kcal/kg/日)
- 50〜64歳以上 男性:21.8(kcal/kg/日)、女性:20.7(kcal/kg/日)
痩せるためには摂取カロリーよりも消費カロリーを多くする必要があります。しかし、摂取カロリーが基礎代謝量より少ないと、身体が飢餓状態だと判断して逆に痩せにくくなります。
ダイエット中であっても、下記関係になるように基礎代謝量以上のカロリー摂取を心掛けてください。
基礎代謝量 < 摂取目安カロリー < 消費カロリー
身体活動レベルの具体的な値や、摂取カロリーの詳しい求め方はこちらの記事からご覧ください。
PFCバランスを計算する方法
ここでは、摂取カロリーが2,000kcalと仮定して計算していきます。
厚生労働省はエネルギー比率で目標摂取量を明示しています。
18~49歳の男女では、
- タンパク質は13~20%
- 脂質は20~30%(うち飽和脂肪酸は7%以下)
- 炭水化物は50~60%
とされています。この比率に基づき計算していきます。
Protein(タンパク質)
- 2,000kcal × 13 〜 20% = 260 〜 400kcal
タンパク質は1gあたり4kcalなので、グラムに換算すると、
- 260 〜 400kcal ÷ 4 = 65 〜 100g
Fat(脂質)
- 2,000kcal × 20 〜 30% = 400 〜 600kcal
脂質は1gあたり9kcalなので、グラムに換算すると、
- 400 〜 600kcal ÷ 9 = 44 〜 67g
Carbo(炭水化物)
- 2,000kcal × 50 〜 60% = 1,000 〜 1,200kcal
炭水化物は1gあたり4kcalなので、グラムに換算すると、
- 1,000 〜 1,200kcal ÷ 4 = 250 〜 300g
よって、摂取カロリーが2,000kcalの人の場合、
- P = 65~100g
- F = 44~67g
- C = 250~300g
ということになります。
しかし、この数値は生活習慣病予防のための指標なので、ダイエットをする際はダイエット向けのPFCバランスを考えなくてはなりません。
自分に最適なカロリーやPFCバランスの計算が難しいと感じた場合は、自動計算できるアプリを使って計算するのがおすすめです。
女性におすすめのPFCバランス
目安としては、摂取カロリーのうち、P : タンパク質20%、F : 脂質30%、C : 炭水化物50%です。
例えば摂取カロリーが 1,200kcalの場合、
- P = 60g
- F = 40g
- C = 150g
となります。
それぞれの栄養素の代謝には遺伝子によって、人それぞれ得意不得意があります。
肥満遺伝子検査を行なうと、食べると太りやすい栄養素がわかるんです。
自分の体質に合った食事方法で効率的にダイエットしたい人におすすめですよ。
[アプリ] PFCバランスおすすめの管理法
カロリー数値よりPFCバランスを意識する!
最近ではスーパーやコンビニに売られているお惣菜やお弁当、レストランのメニューにもカロリー表示がされています。
ダイエット始めたてはカロリーの大きいものを控えるという意識になりがちですが、同じ量の食材でもPFCバランスは大きく異なってきます。
正しい食事制限で健康的に痩せたいのであればカロリーよりもPFCバランスを気にかけるようにしましょう。
例えば、同じ量100gの白米・メロンパン・ステーキで比較してみましょう。
このように同じ100gの食材でもそれぞれに含まれている栄養素は異なります。
どれか一つだけの栄養素を摂りすぎたり、反対に糖質制限や脂質制限などどれか一つだけを摂らないことはよくありません。
3つの栄養素であるPFCバランスを考える習慣をつけながら健康的にダイエットを成功させましょう。
普段の食事ではPFCバランスをしっかり摂るのは難しい
日頃の食事からカロリー計算やPFCバランスの計算ができ、外食時や買い物の際にどの栄養素がどれだけ含まれるのかを意識できるようになれば毎日の献立も変わってくるでしょう。
しかし、PFCバランスを意識していたとしても日頃の食事ではそれぞれの栄養素をバランスよく摂取することは難しいです。
特に、炭水化物や脂肪が多く入っている食事は美味しいと感じやすいので、ほとんどの人が1日のPFCバランスで脂質と炭水化物を多く摂りがちになってしまいます。
効率よくPFCバランスを摂取するには、日頃食べている食材の栄養素を書き出してみたり、アプリに記録することがおすすめです。
そのように可視化することで自分に足りない栄養素がわかり、プロテインやサプリで補うことができます。
おすすめのPFCバランス管理アプリ
PFCバランスを管理する上で
- 自分でPFCバランスを計算するのが難しい
- どの食材にどれだけの栄養素が含まれているのかわからない
- 楽に記録をつけたい
そんな方にぴったりのPFCを簡単に管理できるアプリをご紹介します。
あすけん
出典:App Store
特徴 | 食事管理 | |||
記録内容 | 食事・体重・体脂肪・運動・生理・お通じ・日記 | |||
カロリー管理 | 可能 (写真自動解析・バーコード検索・食材検索・外食市販品検索・手入力) | |||
モチベーション管理機能 | 管理栄養士のアドバイス・アプリ内SNS | |||
ユーザー評価 | ★4.4/8.9万件 | |||
料金 | 無料(App内課金有) |
食事写真をアップロードするだけで画像解析をし、栄養バランスをチェックしてくれます。その結果に基づいた栄養士のアドバイスや、コラム、レシピなども楽しみのひとつ。その日に行った運動も登録すると、消費カロリーの計算もしてくれます。ダイエット中の食事と体重・体脂肪記録にまずおすすめしたいアプリです。
カロミル
出典:App Store
特徴 | 食事管理 | |||
記録内容 | 食事・体重・体脂肪・運動・血圧・血糖値・メモ | |||
カロリー管理 | 可能(写真解析・食材検索・外食市販品検索・手入力) | |||
モチベーション管理機能 | AIによる3か月後の体重予想 | |||
ユーザー評価 | ★4.5/2.1万件 | |||
料金 | 無料(App内課金有) |
カロミルは、カロリー管理をしながらダイエットしたい方におすすめのアプリです。
食事の写真を撮るだけで、AIが自動解析!食事記録の時間を短縮できます。
食事や運動傾向からAIが3か月後の体重を推測してくれるので、変化を楽しみにダイエットを継続できます。
外食・スーパー・コンビニのデータ量も豊富で、外食が多い方も使いやすいアプリです。
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自分で管理や記録するのが苦手な人は、プロのサポートを受けるのも一つの手段です。
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健康的に理想の体型を目指すなら、運動も大切です。
効率的に痩せたい人は、自分の体質に合ったPFCバランスを設定しよう
PFCバランスを意識した食事は健康的なダイエットの基盤です。しかし、人それぞれ体質が異なるため、PFCバランスを整えてもなかなか痩せられない人がいるのも事実。
太りやすい部位や食べ物の趣向が違うように、人によって太りやすい栄養素や痩せやすい運動方法も違います。
ダイエットの近道は、自分の体質に合った食事内容と運動方法を見つけること!
遺伝子検査を活用すると、あなたが控えるべき栄養素や痩せやすい運動方法がわかります。
色々なダイエットに惑わされないで、あなただけのダイエット方法が見つけてください。
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トレーニングだけでなく、食事指導、生活習慣のサポートもサポートしています。食事指導では、PFCバランスも加味してくれるため、効率良くダイエットできるのもメリットです。
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