痩せるために筋トレを頑張っているのに、「筋トレをしていると体重が増えてしまった」という声を聞くことがあります。痩せたいのに体重が減らず、増えてしまうと不安になりますよね。
しかし、体重が増えても不安にならなくて大丈夫です。「体重が増える=太る」と安直に結び付けてしまい、トレーニングをやめてしまうのはもったいないです。ここで大事なことは、数値以外の変化や体重以外の数値の変化に目を向けることです。
そこで、この記事では以下のことについて解説していきます。
- 筋トレで体重が増える理由
- ダイエットは体重よりも筋肉量と体脂肪率を確認しよう
- 筋トレで体重が増えても見た目が引き締まれば問題ない
- 体脂肪を減らして筋肉量を増やすための方法
筋トレをして、体重が増えたらどうしよう…と不安に思っている方や、これからダイエットを始めようと考えている方は参考にしてみてください。
筋トレで体重が増える理由を徹底解説
そもそも筋トレは筋肉量を増やすことが目的です。筋肉量を増やすことで見た目が引き締まります。見た目が引き締まっているのに体重が増えた場合は筋肉量が増加した可能性があります。また、筋トレには骨密度を上げる効果もあり、骨自体の重さにも、わずかですが多少関係している可能性があります。 ただし、食習慣による体重増加が考えられる場合は食習慣を見直す必要があります。
ここでは、筋トレで体重が増える理由を解説していきます。
ネガティブな原因ばかりではないので、体重が増える要因を一つずつ整理して、振り返ってみましょう!
- 筋肉量が増加している
- 筋肉が水分をため込む性質がある
- 成長ホルモンが分泌され骨密度が増える
- 消費カロリー以上に食べている
筋肉量が増加している
筋トレを行って栄養をしっかり摂ると、筋肉はだんだんとボリュームが増え、成長していきます。同じ体積の筋肉と脂肪では、筋肉の方が組織の密度が高いため脂肪より重いです。
そのため、体内で筋肉量が増えると、体重が増加することがあります。しかし、体重が増えても見た目が引き締まっている場合は筋肉が成長している証拠なので、そこまで気にする必要はありません。
ちなみに、筋肉量が増えることで基礎代謝が上がり、より脂肪をエネルギーとして使いやすい体に変化していきます。一時的に体重が増えたとしても、その過程で必ず体脂肪量は減少し、体重は減っていきます。
不安になった時は、鏡を見て見た目を確認しましょう!
体重が増えても、お腹周りが引き締まり、顔周りの余分な脂肪が落ちている可能性があります。
筋肉が水分をため込む性質があるため
短期的に見ても筋トレで体重が増えることがあります。
筋肉は、筋トレで組織が破壊され、炎症を起こし、栄養補給による回復を繰り返して成長します。この回復の過程で体内に水分をため込む性質を持っているのです。そのため、筋トレを行った翌日は体内の水分量が多くなり、むくんだ状態になることがあります。このように体内の水分量が増える関係で体重が増加することも考えられます。
個人差はありますが、体内の水分量で人の体重は0.5〜2kgほど変わると言われています。
たまたま、体重を計ったタイミングが、筋トレ後のむくみを起こしているタイミングと重なる可能性だってあり得えるのです。
水分量による体重増加は一時的な現象なので、特に心配する必要はありません。
成長ホルモンが分泌され骨密度が増えるから
筋トレには、骨密度を高める効果もあります。骨密度が高まると、骨そのものが重くなっていきます。大きく体重増加はしませんが、骨密度が高まることによる体重増加も考えられます。
特に女性は、男性と比べて骨密度が低い傾向があるため、筋トレで骨密度が上がると、数値に変化が現れやすいです。
骨密度が増えることは、骨粗しょう症の予防に繋がるため、身体の健康を保つことに繋がります。ポジティブに捉えて、筋トレに取り組みましょう。
消費カロリー以上に食べている
筋トレを行い、引き締まってきても体重が増えることはありますが、明らかに脂肪がついたり、太った場合は、食べ過ぎが考えられます。
筋トレ後の体力回復や筋肉の成長のために食事は大切ですが、運動や日常生活などで消費しているカロリー以上に食べてしまうと、筋トレをしても余分な脂肪が付いて太ってしまいます。
ダイエットは運動だけではなく、適切な食事コントロールも意識しましょう。
ダイエットは体重よりも筋肉量と体脂肪率を確認しよう
ダイエットをする際、体重だけを気にするのではなく、見た目や体脂肪率を確認しましょう。
筋肉量とは、自分で意識的に動かせる骨格筋と内臓や心臓を自動的に動かしている筋肉組織の重さです。値が大きいほど筋肉量が多いことを示します。特に骨格筋の筋肉量は、見た目や痩せやすさに直結します。骨格筋は、筋トレの動作で意識的に鍛えることができます。
筋肉量は成長に合わせて20歳頃まで増加し、その後、維持期間を経て加齢と共に徐々に減少する傾向があります。そのため、日常生活の中に適度な運動を継続的に取り入れ、筋肉量の減少を防止することが大切です。
男性 | 女性 | |
20代 | 44% | 39% |
30代 | 37% | 37% |
40代 | 34% | 33% |
50代 | 31% | 30% |
60代 | 29% | 26% |
筋肉量が減るとエネルギー消費が減るため脂肪が蓄積しやすくなり、さまざまな病気の原因となります。
体脂肪率とは体内に蓄積された脂肪が占める割合のことで、「体脂肪率(%)=脂肪量(kg)÷体重(kg)×100」で表されます。この体脂肪が過剰に蓄積された状態が肥満です。ちなみに、見た目が普通でも体脂肪率が高く出ることがあります。体重計の性能含めて様々な要因が考えられますが、時には脂肪肝などの隠れ肥満に該当することもあるので注意が必要です。
脂肪は多すぎても、少なすぎても良くありません。脂肪が少なすぎると体温の低下や筋力の低下を招き、髪の毛、肌や爪からハリ・ツヤが無くなることがあります。また、女性の場合はホルモンバランスの乱れを招き、生理不順や早発性閉経を招くこともあります。
▼体脂肪率の目安
18~39歳 | 40~59歳 | 60~99歳 | ||||
男性 | 女性 | 男性 | 女性 | 男性 | 女性 | |
やせ | 10%以下 | 20%以下 | 11%以下 | 21%以下 | 13%以下 | 22%以下 |
-標準 | 11~16% | 21~27% | 12~17% | 22~28% | 14~19% | 23~29% |
+標準 | 17~21% | 28~34% | 18~22% | 29~35% | 20~24% | 30~36% |
軽肥満 | 22~26% | 35~39% | 23~27% | 36~40% | 25~29% | 37~41% |
肥満 | 27%以上 | 40%以上 | 28%以上 | 41%以上 | 30%以上 | 42%以上 |
※参考文献:タニタ
肥満の傾向はBMIで評価されるのが一般的ですが、上記の表のように、体脂肪率も合わせて総合的に判断することが重要です。
ただ、一般的に家庭にある体組成計は機能や性能のばらつきが大きく、体内の水分量やバイオリズムのタイミングによって、体脂肪率は大きく変動します。一度の数字で一喜一憂するより、1週間の傾向や数値の散らばりから判断していくと良いです。
フィットネスクラブ、健康センター、温浴施設などには体脂肪率と筋肉量をかなり正確に測定できるInBodyを導入している店舗があります。無料で測れる場所もあるため、機会がありましたらぜひご活用ください!
筋トレで体重が増えても見た目が引き締まれば問題ない
上記で紹介した通り、筋トレで体重が増えるのは、ネガティブな理由だけではありません。ダイエットをしているのであれば、体重の変化は意識しつつも、見た目の変化をより重視してみてください。
筋トレで一時的に体重が増えても、筋肉量が増えていれば、見た目が引き締まって見えることが多いです。さらに余分な脂肪が落ちれば、よりメリハリのある身体になれます。
体重はあくまで一つの指標なので、体重の数値に一喜一憂せず、見た目にフォーカスしてダイエットをしてみましょう。見た目の部分も、ウエストサイズなど数値化できる要素はあります。
筋トレによるはっきりとした見た目の変化はいつから起きる
個人差はありますが、目に見える変化は約2~3カ月後に実感する場合が多いです。1カ月でもお腹が引き締まったことを実感する方もいます。
筋トレによって筋肉量が増加すると、基礎代謝を向上させることができます。基礎代謝が上がると、普段の生活でも多くエネルギーが消費されるようになり、体重が自然と落ちやすい身体になれるのでリバウンド予防にもつながります。
筋肉量の増加には、一般的に長い期間がかかります。しかし、そこに至るまでにトレーニングを止めてしまうと、一時的に体重が減ったとしても、またすぐに戻る可能性があります。
そのため、基礎代謝を上げ、痩せやすい身体を作るためにも、トレーニングを継続することが大切です。時間はかかる気もしますが、トレーニングを始めたその瞬間から目に見えないレベルでの身体の変化は確実に起こり始めています。
はっきりとした見た目の変化が分かるのを楽しみにしながら、体重の変化に一喜一憂することなく取り組みましょう。見た目の変化を実感すると、嬉しさも倍増しますし、トレーニングのやる気もグンとアップします!
体脂肪を減らして筋肉量を増やすための方法
筋肉を増やすと、それだけで身体の基礎代謝量が増えるため、痩せやすい身体に近づきます。そして、筋トレを行うと、運動後48時間は交感神経やホルモンの働きがいつもより活性化するため、エネルギー代謝がより活発化すると言われています。
エネルギー代謝が増えると、摂取カロリーよりも消費カロリーが多い状態が維持できるようになるため、自然と太りにくく、痩せやすい身体になります。代謝は年齢を重ねるにつれて下がりやすくなるため、この点からも筋肉を増やすことは大切です。
そこで、ここでは体脂肪を減らして、筋肉量を増やすための方法を以下3つ紹介します。
- 筋トレと有酸素運動を組み合わせた運動をする
- 高タンパクで適切なエネルギー量の食事を心掛ける
- 過度な食事制限をしない
※中には効率的に筋肉量を増やすために、筋肉量の増加より脂肪を燃焼することを優先する時期(減量期)、脂肪が増えることをある程度想定しながら筋肉量を増やすことに集中する時期(増量期)と分けてトレーニングや食事内容を変える方もいます。
しかし、この方法は、ボディコンテストやスポーツの大会に出場する方が取り入れる方法です。ハードルが非常に高いので、まずは下記のポイントをしっかり意識しましょう!
筋トレと有酸素運動を組み合わせた運動をする
有酸素運動は脂肪をエネルギーとして消費するため、ダイエットに効果的です。
脂肪燃焼効果が高まるのは、有酸素運動を開始してから20分経過後と言われていますが、筋トレ後に有酸素運動を行うと脂肪燃焼効果を高められます。
筋トレを先に行うことで、基礎活動代謝を向上させる働きや、脂肪を分解する働きを持つホルモンの分泌が積極的に行われます。すると、有酸素運動の脂肪燃焼効果をより高めることができるのです。
しかし、長時間の有酸素運動を行うと、体脂肪だけでなく、筋肉そのものを分解して、エネルギーとする働きも起こります。つまり、筋肉量の増加に繋がらない
恐れがあるので注意しましょう。
※心肺機能を高めたいという目的がある場合は、また別になります。
高タンパクで適切なエネルギー量の食事を心掛ける
消費カロリーより摂取カロリーが下回る状態にすると、脂肪をエネルギーとして利用する可能性が高まります。しかし、摂取カロリーを減らしすぎてしまうと、筋肉まで失うだけでなく、脂肪を溜め込みやすい体になってしまうリスクがあるため、注意しないといけません。
筋肉の主な材料はタンパク質です。そのため、食事から摂取するタンパク質が不足している場合、いくらトレーニングを頑張ってもなかなか筋肉が成長しません。脂肪を落とすためにカロリーを極端に減らすような食事制限をするよりも、まずはタンパク質をはじめとした栄養バランスや食事内容を見直すところから始めましょう。
タンパク質はお肉などの動物性たんぱく質を摂ることが理想ですが、無駄な脂質を取る可能性がありますので、鶏胸肉やささみ肉を食べるようにしましょう。お肉以外にも豆類や魚を取り入れてバランス良く摂ると良いです。
タンパク質というと、すぐに「鶏胸肉」「ササミ」のような極端な食事に走りやすい方もいますが、結果的に厳しすぎる食事制限につながり、上手くいかないことが多いです。牛肉・豚肉・鶏肉・豆・魚・卵・乳製品など、バランスよく工夫して食べるようにしましょう。
「これさえ食べれば大丈夫!」と言われるような魔法の食材はありません。プロテインなどのサプリだけでタンパク質を摂るなど、もってのほかです。
また、タンパク質は他の栄養素と比べた際に、多くの消化の工程が必要です。結果的に食事全体のバランスを整えた方が、タンパク質を効率的に筋肉の成長に繋げることが可能になります。
ただし、身体の状態に合わせて、タンパク質を積極的に摂取することは、推奨されます。タンパク質の消化に多くの工程が必要ということは、それだけ多くのエネルギーを必要とするということです。カロリーが同程度であれば、タンパク質量が多い食事は間接的に脂肪の蓄積を防ぐとも言い換えることができます。
そのため、食事のカロリーを意識する場合、タンパク質の摂取量を担保することを念頭に置いて、その量に合わせて他の栄養素を調整するように意識しましょう。
過度な食事制限をしない
過度な食事制限をするとすぐに体重は落ちるため、体重計の数値だけを見ると痩せたように感じます。
しかし、これは逆効果です。こうした状態の時は、周りから「スタイルにメリハリがない」「不健康な感じがする」というマイナスな印象を持たれることもあります。過度な食事制限をしてしまうと健康な身体を作るために必要な栄養を摂取できないだけでなく、筋肉の成長を妨げ、結果的にスタイルが崩れてしまいます。
また、十分なエネルギーが補給されない状態が続くと身体が飢餓状態となり、生命維持を最優先します。すると、少ないエネルギーで活動しようと身体が省エネモードになり、体に取り込まれた栄養素を逃さず保管しようとします。この状態で元の食生活に戻ると、すぐにリバウンドし、ダイエット前より体重が増える可能性がありますこの負の連鎖にはまると、ますます痩せにくい身体になってしまいます。
脂肪を落としつつ、筋肉量を増やすために大切なのは、食事制限をするのではなく、食事の内容を見直して、適切なバランスで栄養を摂ることです。
体重だけを気にし過ぎてはいけない
この記事では、筋トレによって体重が増える理由や対策などを解説しました。
ダイエット目的で筋トレを始めたのに、体重が増えると不安になってしまいますよね。筋トレによって体重が増える理由をいくつか挙げましたが、食事の内容が上手く行っていない場合を除いて、筋トレの効果が現れている可能性が高いです。
筋肉量が増えているのであれば、見た目もスッキリするだけでなく、脂肪を燃焼しやすい身体に近づいています。
つまり、ダイエットのゴールである「理想のカラダ」に近づいているということです。
ダイエットをする上で、体重の変化だけでは成功したかは判断できません。
体重の数値よりも、筋肉量や体脂肪率、見た目の変化を踏まえて、理想の身体を目指しましょう。
不安なまま筋トレしているなら、プロのサポートを活用しよう
筋トレやダイエットを始めたのになかなか結果が出ない…。そんなときにはプロの力を借りるのがおすすめです。
ダイエットのプロであるパーソナルトレーナーと一緒にダイエットをすると、このようなメリットがあります。
- ダイエット中の疑問や不安を解消できる
- 自分に合うプログラムで指導してもらえる
- 正しい筋トレのフォームを習得できる
- 脂肪燃焼しやすい痩せ体質を作れる
- 科学的根拠に基づいた身体づくりができる
- 健康的に痩せる食事知識や習慣が身につく
- 一人じゃないからモチベーションが続く
今はジムに行かなくても、オンラインでパーソナル指導を受けられるサービスもあります。
「筋トレの効果があまり出ない…」「ジムに行くのが面倒でさぼっちゃう」という方は自宅でできるオンラインジムも検討してみてください。
▼満足度96.6%!利用者急増中のオンラインパーソナルジムはこちら▼
オンラインパーソナルジムを利用してダイエットに成功した方が続出!
\ オンラインパーソナルジム部門3冠達成! /
CLOUD GYMトレーナー。フィットネスに関わる全米認定資格と心理に関わる国家資格を所有し、元小学校教諭の職歴を持つ。習慣化のサポートまで行う優れたコーチングスキルを持ち、「一生リバウンドしないダイエット指導」を得意としている。